この広い空の中で
あの輝く星達の中で
無邪気な魚の様に
流れた一つの星。
9月の11日、
教室で飼っていた金魚が死んだ。
クラスのみんなは
金魚が腹を向けて
ぷかぷか浮いている姿を見て泣いていた。
小学生だった俺は
死 という言葉の重さをよくわかっていなかった。
-2×××年 春ー
俺は高校生になった。
どんな人がいるのか
先生は男か女か
部活は何に入ろうか
そんな事どうでもいい
考えたくない。
行きたかった高校には
呆気なく落ちた
遊びもテレビも我慢して必死こいて勉強したんだ
担任の先生は
大丈夫だって言ったんだ
だけど必要とされなかった。
それが3年かかって
手にした 答え…
「…伊勢本 恵介」
担任が出席を取る。
「はぃ。」
「なんだ、伊勢本
元気がないな。
早くこのクラスにも
馴染んでくれよ?」
馴染んでくれよ って
馴染みたくない。
俺はここにいるはずじゃ
ないんだから。
心の中で呟く
まだ一週間。
卒業まで後何日あるんだろう
俺はそんな事ばかり
考えていた。