「あっ、書けました。」
まぁ、どこの店に行っても書かされるシートだ、個人情報云々の下りはまぁ、気にせずに普通に書いた。
「本日は、どちらのコースに致しますか?」
可愛いい店員…雰囲気的に店長?が営業スマイルで笑いかけてくる。
「おすすめは何ですか?」
僕は以前美容師をしていただけあってマッサージにはちょっと五月蝿いがここは隠しておこう。
「男性ですと…ヘッドスパが人気ですよ」
またしても可愛いい営業スマイルを向けてくる。
「じゃあ、それで…」
以外に何て答えればいいか分からないまま、本日のコースはヘッドスパに決まっていた。
「では、こちらで着替えて下さい、終わりましたら、お声の方掛けて頂いてもよろしいですか?」
三度目も変わらない営業スマイルで言ってきたなぁ、と思いながら、僕は言われた通り服を着替えていた。
ここからは担当者が変わった事もあってあんまり覚えていない
覚えてるのはヘッドスパが下手だった事、そしてこの日はもう彼女とは話さなかった事位だ。
一週間後、僕はまたそのマッサージ屋に向かってていた。
また可愛いい営業スマイルを見たいなぁ、そんなナンパな意識は全く無く…
無く、ただ仕事で肩がパンパンになっていたので、癒し、そう癒しを求めに行ったんです。
この時、仕事のトラブルで泊まりの日が無かったら?
友人から遊びに誘われていたら?
もしが無いのが人生、でも一つだけ
「もし」を許して貰えるんだとしたら
彼女とあの日会わない事と
彼女に対してあの日、本当の気持ちをぶつける事
どっちを選ぶんでしょうか?