恋はするものでなく落ちるもの。
何かの本に書いていた。
恋はいつ落ちるか予想がつかない。
もちろんいろんな出会いがある。
その数だけ可能性がある。
だから初めてでも再会でも恋をするとワクワクする。
そう…Highテンションに。
高校生になった私、北野はるは近所の居酒屋でバイトをしている。
居酒屋のマスターがママの幼なじみでぐっちこと西口尚。陽気で面白い人。
中学で陸上部だった私は膝を故障して前みたいに全速力で走れなくなった。そして部活に入りそびれて暇していた私をバイトで雇ってくれたのがぐっちだった。
ぐっちが経営する居酒屋夢乃屋のスタッフは私とぐっちとぐっちの奥さんこと真美さんの三人。
でもこの度、めでたい事に真美さんが妊娠。
新しいバイトを募集して…今日からその子がくるらしい。
「同い年って言ってたよな」案外知ってる人だったりして…なぁんて。
一人で台拭きしながら妄想してるとドアが開いた。
入ってきたのは男の子だ。
「マスターいますか」
「…はい、呼んできます」
一瞬心臓がとまるかと思ったぐらい私の心はわしずかみされた。
彼は…私の初恋の人。
「大堀祐介くんだね」
「はい、よろしくお願いします」