時は西暦2XXX年。第三次世界大戦により荒廃した地球の話。
主人公の名は服部清蔵。何を隠そう、あの徳川家康の家臣、伊賀越えで有名な服部半蔵の子孫だ。
この頃の日本は、戦争、大震災、大津波、富士山大噴火、更に小型隕石衝突という最悪の災厄を立て続けに喰らい、ほぼ壊滅状態の死の国と化していた。
清蔵の住む東京は特に大打撃を受け、人口は約200人。しかも、食糧を求め暴徒となり、互いに殺し合うというまさに地獄絵図である。
清蔵もまた、生きるため、そしてたった一人の妹、結を守るため、先祖である服部半蔵から代々受け継いだ槍術を武器に、この地獄を戦っていた。
「兄ちゃん、今日はご飯食べられるかな?」
「食べられるさ。兄ちゃんに任せとけ!半蔵様から受け継いだこの槍で、絶対飯を奪って来てやるかんな!」
清蔵は瓦礫の山に立て掛けてあった自慢の槍を手にすると、妹を瓦礫の影に隠した。
「絶対うごくなよ。一時間で戻ってくる。」
「兄ちゃん…死なないでね…」
「馬鹿、槍を持ちながらあんな奴らに殺されたらあの世で半蔵様に合わす顔がねえょ。」
清蔵は槍を頭上でぐるぐると回すと、食糧を探しに街に消えていった。