ルイスはにやりと笑って、言った。
「そ…そうなの?ロイ?」「は…いや、その…母さんが亡くなってからは家事や父さんの仕事の手伝いで、そんな事考えている余裕が無かった訳で…」
ロイは顔を真っ赤にして、しどろもどろになりながら、答えた。
「って、ちょっと待った!ルイス!お前だって彼女いないんだろうが!」
「な、何を!少なくとも好きな子がいないお前よりかマシだぞ!俺は!」
「…五十歩百歩ね…」
不毛な言い争いを始めたルイスとロイを見て、ミリスは一つ大きくため息をついた。
「あら…ミリスさんは意中の男性はいらっしゃらないんですか?」
アリネスは悪戯っぽい笑みを浮かべて、尋ねた。
「私…は…今のところはいませんけど…」
ミリスはチラリとロイを見て、答えた。
って!何でロイを見ながら答えてるんだ、私は…―\r
そう思いながら、ミリスは思わず頭を抱えた。
「?」
アリネスはそれを見て不思議そうな顔で首を傾げると、今度はエミリアの方を見て、
「エミリアさんは意中の男性はいらっしゃるの?」
と、尋ねた。
エミリアは一瞬、表情が強張ったものの、すぐに笑顔に戻して、
「それは…秘密です」
と、朗らかに答えた。