家に帰り、明日桜が来る事を親に伝えると
「桜ちゃん、身体は大丈夫なのか?」
父親に聞かれ、
「今のところは大丈夫だよ。無理はしてないと思うんだけど」
正直、桜の身体の事を知っているようで知らない私は、そう答えるしかなかった。
「大和、おじいちゃんが呼んでるわよ?」
母親に言われ、てくてくと祖父の部屋に入ると、
「お帰り大和。どうだった今日は?」
祖父は毎日、私が帰ると今日の事を聞いてくる。
「別に、特になしかな」
「ならいい。悪い事がなければ、それは幸せという事だしな」
幸せとは何か?と聞く事はなかった私だが、いつかは聞いてみようと考えては忘れていた。
「おじいちゃん、相変わらず写真撮るの好きだね?」部屋中にある写真を見ながら質問すると、
「写真程、記憶に残せる物はないからなぁ」
そう言っていたが、ボケ対策に必要なのだとも言っていた。
部屋の中にある写真の一つに、桜の写真があった。
「桜ちゃんの身体はどうなんだ?」
写真を見ている私に言う。「大丈夫だと思う。でも、いつ倒れるかわからないから、傍にはいてあげてる」そんな私の言葉に祖父は、