母さんに会った。
サスと一緒に 駅で待ち合わせをした。 小さく細いその人が近付く…『母さん?かあさ…ん』
言ってやろうって思ったのに…サスの言う通り「初めまして」って 笑って言うつもりだったのに…。
『ゴメン…ごめんなさい…ゴメンネ。』
そう言って 泣いてばかりの母さん…サス ありがとう…また助けられたね。私 優しくなれそう。
『これから いつでも会おう…母さん!』
あ〜やっぱりサスの家は落ち着く。もう 自分の家みたいだな…。
『ねぇ…聞きたかったんだけど…あの夏、プールでさ〜何で私に話かけてきたの?もしかして、余りに可愛い〜からナンパしたの〜』
『僕、ずっと見てたょ マチャの事!』
うちの学校は コノ字型の校舎で、二年と三年の教室がちょうど中庭を挟んで向かい合わせに見える。
『マチャはいつも窓際の一番後ろで、寝てばかりで…だから夜のプールにいた時、他人じゃない気がして…』
馬鹿にされる前に からかってやろう…
『え〜もしかして〜一目惚れ〜クスッ?』
『うん…』
え……サスの横顔が 真っ赤で…真顔で…すごく ビックリした。
そして……始めての夜。
『ずっと一緒だから…安心しな』
言葉がでないくらいの 暖かさだった。