10年後の私へ☆

しがないOL  2008-10-14投稿
閲覧数[213] 良い投票[0] 悪い投票[0]

あなたと私が初めて会ったのは、とても寒い、そしてとても冬晴れの日だった。
「おはよう〜」「おっはよう〜」「今日かなり寒いね…」「今日天気いいのに午後から大雪だって〜」「も〜雪掻きしたくないよ〜!」 そんな会話が北海道の冬にはよくある。地下鉄のホームで、隣に立っているどこかのOL風二人組の会話を聞きながら、私は「今日雪降るんだ…」なんて他人事のように心の中で呟いた。朝ぎりぎりまで爆睡…、はねた髪もそのままで歯を磨いて顔を洗って着替えて家を出る!ニュースを見る時間なんてない状態。このままで私いいのかな…なんて思うけど変えられないのだ。
「今日仕事したくないなぁ〜」また心の中で呟く。後少しでいつもの地下鉄が来て、ぐゅうぐゅう詰めになりながら同じ毎日を繰り返すんだ。そう思った時いつもの地下鉄がホームに入って来た。これに乗るんだ、乗って会社に行くんだ。あれ、足が前に出ない…、後ろから乗る人がぶつかって行く…、「邪魔だ!」分かってる…、でも、でも…、言葉も出てこない! 地下鉄の扉が閉まる。ドア越しに立ってる人が「この人大丈夫?」って顔をしながら見てる。地下鉄が走り去って行く。「遅刻だ!」そう…、乗らなきゃまずかった!思い切って足を前に出してみた。動く! 何故…、急に怖くなって私は走ってホームから外に出た!
「大丈夫ですか?」急にに声をかけられた。私?顔を上げて見た。眩しい!太陽が私を見てる…、えっ、太陽が喋った?「大丈夫?」また声が聞こえた!んっ?よく見たら知らない顔の男の人が立っている!誰この人?痴漢か〜?それともなんかのキャッチ?!
「大丈夫?顔色悪いし、すごいいきおいで階段を走って来たからびっくりしたよ!」んっ?「ぶつかった所怪我してない?」んんっ?そうか!私ぶつかったんだこの人に…。その時始めて腕が痛い事に気がついた…。
「大丈夫です、すいませんでした。」私は頭を下げた。
「大丈夫なら良かった、僕もメールしながら歩いてて気がついた時には遅かったんだ、僕の方こそ悪かったね。」そう言って彼は笑った。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 しがないOL 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ