思春期ならではの恥ずかしさで傷き、終わった恋。
まだ思い出にするには新しく胸が痛い。
あれは中2の夏。私と大堀はクラスが一緒で仲が良く私にとっては初恋だった。
ある日、友達にからかわれた。そして大堀が言ったのは…好きじゃないの一言。
だけど…私と彼はそれ以来話すことはなかった。
話すきっかけを失った。
中3でクラスが別になり、卒業後は別々の高校に。
まさかバイト先で再会するなんて…
「今日からきてもらう大堀くんだ、仲良くな」
ぐっちはそう紹介してくれたけど大堀は私の顔すら見てくれない。
私も目を合わせられない。
「北野はるです…」
ぐっちの手前、一応挨拶した。彼も頭を下げる。
私これからどんな顔して一緒に仕事したらいいんだろう。
「まぁ、最初だしな、祐介は、中手伝ってもらうよ」
ぐっちが空気を察して、明るく振る舞う。
その日は無事に終わった。ぐっちはすっかり大堀に慣れている。大堀はまだ堅いがぐっちが嫌いではないらしい。
「お疲れ様、二人とも上がっていいよ」
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
二人の声がはもった。
「祐介、はるをついでに送ってやってくれよ」
ぐっちが大堀に頼む。
「…はい」