初めての恋…10

ひろ  2006-06-12投稿
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華菜が私に気のせいだと何度も言い聞かせて慰める…。

でも、ずっと見てきたからわかる。
明らかに違う、雰囲気の二人。

「白井?具合い大丈夫なの?」

ビクっ!!
その声に体が反応する。
「あ、佐藤君。」

「うん、大丈夫…」

「そぅ?あんま無理しないでヤバかったら言えよ。送ってくから…」

佐藤が頭をポンと叩く…
でも、その前に手で止める。

「白井?」
佐藤がびっくりしてる。

「彼女出来たならその癖やめたほうがいいよ。誤解される。」

「え?」
佐藤の顔がみるみる赤くなって行く…

「な、なんで…?」

私はため息をついた。
「仕事サボってると店長に怒られるよ、さっきから睨んでる…」

「あ、後で連絡するから…」
そう言って佐藤は仕事に戻った。

「てか、連絡先教えた覚えないケド…」
呟く…

「真紀…」

華菜が心配そうに見てるのがわかった。

「遅いねー、ご飯☆久しぶりだよ、私、外食。華菜は?」
今更だけど心配させたくない…

「真紀、真紀の番だよ。気持ち言わないと…」
華菜は話をそらさず真っ直ぐな目で私を見る。
「彼女がいるのに…?私、もう傷付きたくない…。」
自分の弱さか…
泣きたい…
何も考えられない。

「言ったら傷つく?言わなかったら傷つかない?
どっちも痛い…
もし、その気持ちを捨ててしまえたなら楽だけど…
好きになって、後悔してるの?」

「…してない。いっぱい教わった事ある。」人の傷の痛みとか…

華菜はニコッと笑って「真紀に好きになられて悪い気持ちする人なんていないよ。
たとえ恋人になれなくても、自分の気持ちにケジメつけよ?
知って欲しくない?今までどんくらい佐藤君思ってたか…
ごめんね、強制みたいになっちゃった。
後は真紀が決めて…」

私達はちょっと遅れてきた夕飯を食べて、家路に着いた。

ふぅ、お風呂入ろ。
華菜が言った事わかってるよ。

私、決めたから…

「ビール飲も♪」

ゴキュ、ゴキュ。

「プハー、お風呂上がりのビールは美味しい☆」

…明日、なんて言おう。なんて切り出そう…
まず、愛さんの事ちゃんと聞いてぇ〜…

ブル
ブルルル…

携帯に電話だ。

「ん、華菜かな?
もぉしもし〜華菜〜?今日ありがとね。
私さ…」

「おす、俺だけど…
白井?」

佐藤?
「な、なんで?」

「帰り際、華菜ちゃんが教えてった…」

い、いつのまに?
「今から会えない?」

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