僕の名前は新垣慶。東京ヤクルトスワローズにドラフト1位で入団した。高校は名門の桜宮高校のエースとして甲子園ベスト4まで行った。ヤクルトの今の監督は小池監督だ。入団した時小池監督に
「今年は投手陣が手薄だからお前達ルーキーにも十分チャンスはあるぞ。期待している。」
と言われた。
僕はオープン戦で成績を残せたので開幕から1軍でいけることになった。
ついにセ・リーグが開幕した。第1戦の相手は昨年最下位だった広島だった。そしてついにプレーボールだ。
さすがの強力ヤクルト打線も先発の三浦さんが好投しているが広島先発の北桜さんからはそう簡単に点はとれず7回まで0対0のまま向かえた8回、広島の先頭バッター4番の大澤に第1号ソロをあびて1対0となった。
それから三浦さんはリズムを崩し2つの四球をだして降板してしまった。
場内に
「ピッチャー三浦に変わりまして大嵐。背番号は21。」
というアナウンスが流れた。
ヤクルトファンがドッとわいた。大嵐さんは球界を代表するイケメンのうえMAX150キロ後半のストレートを武器とし昨年ホールド王を獲得した中継ぎ投手だ、だから男性にも女性にも人気がある。
変わった大嵐さんがなんとか踏ん張り1対0で8回裏をむかえた。その時投手コーチの石川さんが
「新垣!もし同点で延長いったら投げるかもしれなから肩つくっとけ!」
「僕が投げていいんですか?」
思わず聞いた。
「どういう意味だ?」
「こんな開幕戦の大事な場面で高卒の僕なんかが投げるなんて思わなくて。」
「監督にも聞いただろ?うちは投手陣とくに中継ぎが不足しているんだ。昨年だって大嵐だけに頼りすぎてたからな。お前はオープン戦いい投球をしていたしな。」
「わかりました!」
しかしこの回は3者凡退に終わった。
9回表も大嵐さんが3人で抑えてヤクルトの攻撃となった。
「ピッチャー北桜に変わりまして真田。背番号19」
というアナウンスとともに広島の守護神真田がでてきた。誰も口にしなかったが真田から点をとるのは難しいし今日は負けだろうと誰もが思っていた。しかし4番の松岡さんは違った。気合い十分で打席にたった。そして真田の得意球スライダーをバックスクリーンに運んだ。5番日向さんが凡退でついに僕のプロ初登板をむかえた。
「ピッチャー大嵐に変わりまして新垣。背番号49。」