からまりあっていた誤解の紐が解けだすと私達のきまづさは徐々に消え、又中学の頃の様に仲良くなっていった。
夢乃屋では、大堀の表デビューもすんだ。
常連客もすっかり大堀の顔を覚えていた。
その日は大堀が休みだった「一人だと寂しいかぃ?」
「何言ってるんですか」
ぐっちが私をからかう。
前から一度聞いてみたいことがあった。
「どうして彼を採用したんですか?」
大堀は決して愛想満点というタイプでは決してない。むしろ人見知りする方だ。
「あいつがここで頑張りたいっていったからだ」
「えっ?」
意外な答えだった。
「頑張って自分を変えたいんだと」
ぐっちが優しく笑う。
「そうなんだ…」
私も笑顔で返した。ぐっちの笑顔にこれ以上は秘密と言われた様な気がした。
その日、予約の電話が入った。今週金曜日に貸し切りパーティーをしたいという内容だった。
「では、8時開始でよろしいでしょうか?」
確認して電話を切った。
木曜にまた連絡があり開始時間を7時に変更したいと言うことだった。
ちょうどバタバタした時間帯だったので私はうっかりぐっちに変更を伝えるのを忘れてしまったのだ。
その日はたまたま私は少し早い目に夢乃屋に入った。