「げほっ…」 どうも、意識が遠くなってきた。 まぶたが重くなっている。 ここで寝てはいけないことを、私は承知しているはずだ。 しかし、もう可能性のない旅路。 あきらめてもよい、そんな気分になっていたのだ。 歩いていた足を止め、その場に倒れこんだ。 あぁ、もう、私は。 この雪山の中で息絶える。 銀の世界。異世界のような、そんな美しい場所。 (今更、太刀打ちできるはずがなかったんだ) ほんの少しの後悔の中、彼は意識を失った。
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