奈央と出会えたから。<251>

麻呂  2008-10-17投稿
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『‥‥初めてじゃ‥‥ないし‥‥‥。』


多分――



聖人は知ってる――


そんなコト、



ずっと前から――





『初めて‥‥だろ?!』



そんな目をして見ないでよ‥‥‥。



『違うよ。聖人だって知ってるじゃん。
あたしが小6で‥‥んんっっ‥‥‥。』


あたしが、そう言いかけたトキ、



聖人が手で、あたしの口をふさいだ。



『言わなくていいぜ。それ以上は。』



どうして?!



それって――



現実逃避?!



『奈央は、今まで小6のトキの事故以外に、セックスしたコトあんの?!』



聖人の目が、逸らされるコト無く、



あたしの瞳に映っている――



クールな、その目は何時になく真剣そのものだった――



『ないよっっ。あるわけないじゃん。』


何でそんなコト聞くのよ。



そんなコト‥‥。



『じゃあ、奈央も初めてってコトじゃんっっ。』



優しく微笑まれた――



『あたしが?!』



思わず聞き返す――


『そう。初めてのトキは、好きなヒトとするものだろ?!』


ポンッ――



優しく頭を撫でられた――



『‥‥‥ひっ‥‥っっ‥‥‥。』



『奈央の処女は、俺がいただきぃ〜〜♪』



『ば‥‥ばかっっ!!‥‥ヒック‥‥‥。』



――へんなの‥‥――



『ばかぁ?!ばかはねぇだろ、ばかはっっ!!』



――また涙が出そうになるから――



『じゃあ、今の取り消すっっ!!』



――思わずひねくれてみた――



『取り消すだけじゃダメだぜっっ!!』


――ホントはそんなのどうでもよくて――



『じゃあどうすればいいの?!』



――あなたとずっと一緒にいられたら――



『‥‥‥‥‥。』



あたしは、ずっと幸せです――



『聖人‥‥‥?!』


『‥‥‥‥‥。』



いつか――



『怒ってるの?!』


『‥‥‥‥‥。』



ひとつになれる日まで――



『泣いてるの?!』


『な‥‥泣くかっっ。』



その日まで待っていてください――





大好きだよ‥‥‥



聖人‥‥‥‥‥。

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