映画で見た様な光景。
長いキスのあとは…
亮太は私が起きているのを知っている。
さっきから私は彼のカッターシャツを掴んでいる。
なのにキスをやめない。
拒まない私もおかしい。
というより思考力が働かない。状態が掴めない。
「先生ぇ〜」
誰かきた。扉が開いた。
亮太はキスをやめない。
私がシャツを何回も引っ張るとようやくやめた。
亮太の顔は切なそうで今にも泣きそうな顔をしていた「りょ…」
私の声をさえぎるように私の口に一本指をあてて
「寝てろ」
と言って隣のカーテンに抜けた。
私はまた目を閉じて眠りについた。
次に目が覚めたのは1時間目が終わって先生に起こされた時だった。
教室に戻ると二学期の委員が決まっていて私は亮太と一緒に文化祭実行委員だった。聞いてない…
「大丈夫?」
クラスの女子がよってきた「うん。あれいつ決まったの?」
私が黒板を指さすと
「さっきだよ。斎藤くん保健室まで何したいか聞きにいったでしょ?」
ありえない。亮太は聞きにきたんじゃなくて…
でも私は誰にもそんなことは言えなかった。
間違っても理沙の耳には入れたくない。そう思ったからだった。
長いキスのあとは、どうなるのか?