コノ人ハ今何ヲ言ッタ…?
今耳に入った言葉に完全に絶句する俺と麻衣。
誠さんも気恥ずかしいのか照れ笑いを浮かべたきり何も言わなくなった。
暫しの沈黙。
最初に沈黙を破ったのは俺だった。
「…誠さん」
「ん?」
「誰と誰が結婚すると?」
あまりにも信じられなかったので再度聞き返す。
だってそうだろ?
恋愛関係にほとほと鈍いこの二人が色々な過程スッ飛ばしていきなり結婚だなんて絶対あり得ないことのはずだから!
「だから、僕と嶂岸先生が…」
…あり得ましたね…。
「…マジですか?」
「こんな恥ずかしい嘘つけるわけないだろ!?」
「ですよね…」
「告白はどっちからしたんですか?」
麻衣が聞く。
「あー…、最終的には僕かな?」
何やら煮えきらない口調でそう答える。
…えーと、まあ俺が何かする手間が省けたわけだし、ちょっとあっさり感を拭うことは出来ないがとにかく、言うことは一つだな。
「麻衣」
「うん」
そうして両手を自分の胸の辺りに翳す俺達。
「え?」
せーの。
「「おめでとうございます!誠さん!!」」
そう言って讚美の拍手を贈る俺達だった。
続