春が過ぎ空が暗くなるのが少しずつ遅くなってきた。もう夏の始まりか?僕らの距離も瞬く間に縮まっていった。
『夏休みどこ行く?』
『海行きたいよね』
教室の雰囲気も、夏独特の香と賑やかさになっていた。
僕は花火が好きだ。夜空に舞い、地上の人々を明るく照らす。胸に突き刺さるような激しい音もまた夏を感じさせる。浴衣を着て、内輪を片手に出店に回り、ごく普通に祭を楽しむのが好きな、ごく普通な男だった。
今年の夏は新しい仲間と行こうと決めていた。クラスの仲間もそのつもりでいてくれたから。去年までとは違う夏が訪れようとしてた。
女の子?もちろん行くさ。みんな新しい仲間だからね。