腐りかけ19

souel  2008-10-20投稿
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場所は運転免許センターの待合室…言い出したのはアタシ
尚にとっては青天の霹靂だったろう。真新しい免許を誇らしげに尚が掲げて
「俺の彼女は凄い!美人だし仕事出来るし…バイクにも乗る!」
…言葉が引っ掛かって…私は正直になりたくなった…「尚?私が尚の嫌いな茶髪で仕事がいい加減でバイクは勘弁みたいな人間なら全く他人以下だったわけだよね…」理論むちゃくちやだ…だけど尚の何かがアタシをイラつかせ、焦らせる。尚は呆気にとられたように「何かあった?俺のなにがいけない?俺は正直に嬉しかったんだよ…俺はカッコといると気持ちいい。楽だ。カッコもそうだろ?俺たち一生一緒にいきれると信じてるから」きちんと伝えなければダメだワタシ
「気持ちが楽だというアナタにあたしが充分気を使ってるとは思わないかな?」尚の笑顔 はすっかり消えてアタシを探るように険しい眼差しになった
「…とにかく帰ろう…続きは俺の部屋で」とメットをわたしに渡した。アタシははバイクの後ろから離れて「今日はバスで帰る」
と真っ直ぐ歩きだした。しばらくして吹かしぎみに尚がすぐ横を走っていった…背中が怒っているようだった

…………………
その刺すような視線は、アタシが廊下を通る度に向けられていた
「ヤバクナイ?朝からいるよね〜面会は午後からって伝えても無視だし…守衛さんよぼか?」中道先輩が内線にてを伸ばしかけた…そのとき目線の彼女がナースステーションに近づいてきた
「山田勝子さんはあの看護師さんですよね?」
……やはりアタシに用事だ
…あの視線…アタシは知ってる!!
その視線が尚の《彼女らしき》人だと気がついた瞬間…私のすぐ目の前に彼女は立っていた。

……………………

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