FUJI:side
昨日は国分先輩と彼女が一緒に居ることを知っていて学校の近くに残っていた。
ハチが学校で国分先輩を待ってることを知ってたから。
俺はこの日この後起こる悲劇を知っていた。
俺がこの悲劇を作ったと言っても過言じゃない。
どうしてかって?
それくらい本気になってたから...
朝学校へ来て早々会いたくない人に会ってしまった。
「不二?」
「国分先輩...」
門のところに俺を待ち伏せしていたと思われる国分先輩が立っていた。
「裏庭行かね?話があんだ。」
俺が返事をする前に国分先輩は静かに裏庭へと歩き出した。
「先輩?」
「ん?」
「話って何ですか?」
裏庭に着く頃俺の方から沈黙を破った。
「この間はハチのことよろしくって言ったけど、
やっぱりやめた。」
「え?」
「ハチは渡さない。」
「国分先輩は彼女いるじゃないですか!?」
「別れた...」
「え!?」
「じゃあ、そーゆう事で!」
そーゆう事ッてどうゆう事?
国分先輩がいなくなった今、俺にはハチしかいない。
初めて一緒にいたいと思った女の人。
ハチは俺が初めて愛した女の人だから、
誰も俺からハチを捕らないでほしい。