貴方への想い〜鎮静〜

ふく  2008-10-21投稿
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良く眠れなかった
寝てしまえば朝が来る
出来るだけ貴方を覚えていたくて貴方の寝顔を見つめていた

弱さを見せたくなかった
この部屋を出ればまた私は待ち続ける日々を送る
甘えたり我が儘を言ったり
本当はそうした方が可愛いのかもしれない
でも出来ない
今私に出来る事は貴方を困らせないという事
だから許して欲しい
どんなに貴方の甘えに拒んでも本当は受け入れてあげたいと思うから

行き交う恋人達を見て悲しくなった
私もあんな風に楽しそうに笑いたい
手を繋いだり体を寄せ合って歩きたい
貴方に遠慮している自分が嫌
『普通の恋人同士だったら』
無意識に出た言葉にはっとして口をつぐんだ
貴方が私の言葉の意味に気付かない様に
『じゃあまた』と別れを作った
きっとまた会える
また会いたいから
最後に貴方の笑顔を見た
それだけで十分

絶対に振り返らない
振り返ってまだ貴方がそこにいたら駆け寄りたくなる
『行かないで』と縋りたくなる
別れまでに作っていた強がりが台なしになる

貴方に未練は残さない
顔には出さなかったけれど本当は寂しかったから
我慢すると決めたから

貴方を想う限り
色んな事に目を伏せて生きていかなければならない

こんな冷たい私を見て愛想を尽かされたかもしれない
少しの後ろめたさを感じた時携帯が鳴る
『やっぱり好きだよ』
その貴方からのメールに強さが崩れた
体中の力が抜けて瞼が熱くなる

目に溜めた涙が零れ落ちない様に何度も瞬きをした

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