打ち上げも終わり、無事に俺達は寮に帰ってきた。
長瀬さんにきいた宇佐美の過去。何故宇佐美が他人行儀なのかが分かる気がした。
「安心しろよ。宇佐美」
「どうしたんですか兄さん?」
聖がベランダからやって来た。
俺と聖のベランダは繋がっている。しきりもないから行き来が自由だ。
「聖か。宇佐美のことなんだけど・・・・・・守ってやろうな」
「イジメ・・・・ですか」
宇佐美は前の学校ではイジメにあっていたらしい。理由はバンドなんか生意気にもやっててさらに年下のくせにヴォーカルをやっていたからだそうだ。
「そうだよ。まあ、この学園ではイジメなんてないだろうけど」
「たしかにそうですね」
しかし宇佐美はかなり歌うのが上手かった。もったいないとも感じた。宇佐美をイジメていた奴らに見せてやりたいぐらいだ。
−−突然部屋のドアが開いた。
「作戦会議だ!談話室に集合!」
−−バタン!
我等が生徒会長は嵐のように去って行った。
「なんだろう?」
「珍しいですね」
そして俺と聖は談話室に向かった。
談話室には俺と聖以外のメンバーがそろっていた。もちろん宇佐美も・・・・・。