恵理と由美子は会社の近くのMANMOSバーガー店に寄りチーズバーガーセットを2セット頼んだ。
席についたトタン恵理が声をあげた。
「もー!耐えられないよ。あんなバイト。」
「何言ってんのよ。恵理が金が必要だからってバイトを紹介してあげたんじゃない。まだ1週間でしょう?せめて1ヶ月は頑張りな。」
「家に帰ったらぶっ倒れそう…」
恵理はコーラーを一口飲み再び由美子に訊いた。
「新開さんって結婚してるの?」
「んー…なんか噂では結婚も一度もしていないんだって」
「やっぱり…だからあんなお局な性格になったわけ?…結婚できないストレスかぁ…」
恵理は鼻で笑って言った。
「というより、男嫌いって感じがするけどな…歳のわりには美人じゃん。」
「そういえば、そうだね。私らの歳ぐらいにはフツーにデートとか誘われてそうだよね。」
「でもあの取っ付きにくさとあの眉間のシワと目つき………」
ふたりは互いに見を合わせつつ黙り込んだ。
『行かず後家だね』
ふたりは大い笑った。
「男から誘われたらガンつけてそうだよね〜 」
「あの眉間オバンが恋をするような性格にはみえないよ」
恵理と由美子は新開夏子の悪口を意気投合しながら話した。
由美子はハンバーガーをひとかじりし恵理に訊いた。
「そういえば恵理、あんたさぁ何でそんなに金が必要なわけ?」
すると恵理は赤面顔になり照れながら答えた。
「えへへ、ヒミツ。」