ぼぉっとしてる私を彼がキュウウッと抱きしめて 耳元で、
「照れ臭いでしょ」
って、笑い半分で言ったのを聞いて。カァッと自分の顔が熱くなったのがわかった。
何でか、涙まで出て来て 一生懸命、彼にしがみついた。
「言い訳だけど！こう、何かいい感じの時にしますよ！っての出来ないんだって」って、彼は言って。「ビックリさせて、ゴメンね」って。
私のホッペに自分のホッペをスリスリッてして。
その後、もう一度私にキスをした。
最初は、チュッて短くて次は私の下唇をハムハムッと優しく挟むように唇がくっついた。
私は、目を閉じる事も出来なかった。
でも、何かリアクションしなきゃって、私なりに思ったのね。
だから、ハムハムしてた彼の唇が離れかけた時にハムッ！て私も彼の下唇？上唇？どっちだったか今でもわかんないけど。
したのよ。
それが、自分からの初めてのキス。何か微妙だけどさ・・・。
彼が、「ん！？」ってビックリして。
私の顔みて、笑った。
「今、俺のコト食べたでしょ？（笑）」
って、私に合わせてかがんでくれてる顔が、意地悪な感じになった。
火が出るかと。
その場で灰になるかと思うくらい、私は恥ずかしかった。
どうしたらいいかなんてわかんなかったし、
何せ、ファーストキスが連続４回？（笑）
テンパるよ、テンパりましたよ。
彼と目を合わす事なんて出来るわけない。
うつむいて、その場にいるのがやっとだよ！
暴走列車状態で走って逃げたかったもん。
涙も止まらないしね。
私がハムッてした事で、嫌で泣いてるとは思われなかったから、結果としては良かったんだけど。
彼は自分の乗るバスを見送って、私の次のバスを一緒に待ってくれてた。
ずっと私を後ろから抱え込むように抱きしめて。
バスが来て、乗り込む時に、決死の覚悟で彼を見たら、バスからの明かりで見えた彼の顔は真っ赤で。私がそれ見て、わ！って思った瞬間くらいに「照れ臭いって言ったでしょ」って、彼は手を振った。
バスに揺られながら、自分の顔の赤さに誰も気付きませんようにって。
私も、照れ臭さと戦って
たわけで。唇をキュッと結んで、自分が好きな人とキスしちゃった事がバレないように。ドキドキしながら、家に帰った。
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