祥司(しょうじ)は目が覚めた。
祥司はまわりを見渡した。
何もなかった。
そこは何もない世界だった。木も水も家も人も何もない。上下を見ても左右を見てもただひたすらに白い景色が広がっている。
なんだこれは…
途方に暮れるような、圧倒されるような絶望感に押し寄せられる。
叫んでみても返事は返ってこない。
どうなってるんだ…
昨日のことは勿論、自分のことすら思い出せない。
立ち止まっているいとまは無かった。
何しろ水も食料も見当たらない。
歩くしかなかった。
祥司はひたすら歩いた。歩いて歩いて歩き続けた。
何もなかった。
やはり白い景色が続いているだけだった。
祥司は腕時計をしている事に今頃気付いた。
もしこの腕時計が正確な時間を指しているなら、今の時間は夜中の2時だった。
安心したのか疲れが溜まったのか、祥司は寝てしまった。
2日目の朝を迎えた。
良い匂いがした。
祥司の目が少しだけ開くと、目の前には食事が用意されていた。
???
(続く…)