日曜日、僕は初めての家庭訪問にかなり慌てていた。
マンションに住んでいるが、部屋は基本荒れている。
掃除をして…お茶菓子を用意して…
しかし、順は実にのんびりと構えている
「父ちゃん慌てすぎだよー」
「あのな、先生が来るのにこんなみっともないとこ見せなれないだろ」
「大丈夫だよ、田中先生も結構みっともないから」
「いいから、この本の山を向こうに持って行きなさい!」
予定の時間の10分前にようやく準備が整った
(ふう、智恵にはこんなとこ見せられないなぁ…)
智恵とは亡くなった妻の事だ。潔癖症な妻だった。逆に僕はズボラで、よく文句を言わていたものだ。
そんな事を思っていると、先生がやってくる予定の時間になった。
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しかし、予定の時間を過ぎても先生はやってこなかった。