☆2年3組☆
渋川 史朗先生
北岡 聖人。
藤木 タツヤ。
秋田谷 ユカ。
木下 奈央。
安田 サチヨ。
『あ‥あはっ。あたし、聖人と同じクラスだ‥‥。』
嬉しいっっ。
超嬉しいよおぉっっ。
安心したら、
思わず涙ぐんでしまった。
気付かれないようにしたケド。
『‥‥クスッ。また2年間一緒にいられるなっっ!!』
『う‥‥うんっっ!!』
ポンッ――
なでなでなで♪
いつもの様に、
頭をなでられた。
今、此処が学校じゃなかったら、
聖人に甘えたいトコロなのに‥‥。
『ユカとタツヤとサチヨも同じクラスだね。』
『ああ。代わり映えしねぇメンツだな。』
『でも意外だった‥‥‥。』
『何が?!』
『聖人とあたしが同じクラスになれたってコトが‥‥。
絶対離されると思っていたから。
渋川、一体何考えてるのかな???』
この日が来るまで――
本当に、
本当にドキドキして落ち着かなかったんだから。
『俺は絶対、奈央と同じクラスになると思ってたぜ。』
『えっ?!何で?!
だって、渋川は、あたし達が付き合ってるのを知ってるんだよ!!』
『2匹のライオンを飼育する時、2つの檻を用意して、1匹ずつ入れて飼育するより、1つの檻に、2匹とも入れて飼育した方が、ヤツにとっては、目が届く範囲にいるから、都合がいいんだ。』
『ふぅん‥‥。なるほど‥‥。』
まさか本当に、渋川がそこまで考えていたのなら、
これからの2年間は、
あたし達にとって、
また更なる試練が待ち受けている様な――
そんな気がした――