佐藤は何が起きたのか把握出来ずにいる…
私は佐藤から唇を離した。
「ホント鈍いよっ!!」
佐藤の唇の感触を確かめるように唇をかんだ。
佐藤はちょっと後退しながら口に手をあてて「……っ、し、白井?」
「え?何?どうした?どうするの?」
なんかパニック?てか、最後の質問は自分に対してですか?
私はドキドキしてる自分の胸に手をあてながら…深呼吸をして言う
「ずっと、好きだったから…
ごめんね、こんなことしちゃダメだって分かってるケド、好き…だから、私。」
ドキドキする…
なんか上手い言葉出てこない。
「す…き…」
胸の奥から何かがこみあげて来る。涙が自然に溢れる。
「ご…めん、…ごめんね。」
いろいろ考えてた言葉もあったけど、謝りの言葉しか出てこない…
「白井…。」
佐藤が私の涙を拭う…
あったかい佐藤の手…
ツネッ!!
「っ…イタ。」
え?何??
佐藤が私のホッペタをニコニコしながらつねっている…
「は、はにしゅんの?」
あぁ、日本語になってない〜、泣
「謝るなよ…。」
佐藤は私の頬から手を離した。
「佐藤…?」
「いやぁ〜、こういう形で唇、奪われるの初めてだけどなぁ♪」
「ご、ごめんね。彼女いるのに私…」
コレは浮気行為だ。
「いいよ、彼女とかまだわかんないし…
ホントに俺の事好きって思ってるのかもわからんし」
佐藤は少し淋しそうな顔をしてる
そういう顔見ると、胸が締め付けられる感じがする。
何て言えばいいだろ。
「あ、あの」
「俺…」私の言葉を遮る。
「…俺、聞いてみるよ、愛さんに…」
「…うん。きっと大丈夫だよ☆」
佐藤は不思議そうな顔してる
「応援してんの?俺の事好きって言ったのに…」
「あはは…」
私は誤魔化すように笑った…
だって、私にはどうしようもないもの。
「すぐ諦めるのって白井の悪い所かもな、好きだから、愛さんじゃなくて私を見て!!とか言わないの?」
意外な言葉だった。
「え??だって…、」
何、これ?
ただ、意味もなく言っただけ?
それともそんな事言っていいの??
???
頭がパニックだ。
深く考えすぎ?
でも、私は次の自分の言葉にもっと驚いた。
「私の事、見てくれるの?」
あ!!バカー私。
「ご、ごめっ」
慌て訂正しようとする。
フワッといい香りがして…何かが私の口を塞ぐ…
え?ええ??
佐藤ー!!
永くて甘いキスー。