携帯のバイブレータが畳に響いていつもの時間を告げた。
寝惚けているのに今日が日曜日だとハッキリわかる。でも寝惚けているからアラームが解除できない。
仕方ないので、電源を落とした。
今ので起きてしまったのか、隣から伸びてきた腕にとらわれて、わたしと、わたしの子宮は喜んだ。
背中越しに振り向くと、安らかな寝顔があった。
まぶたを閉じたこの子の顔は、すごくいい。
茶色の可愛らしい瞳は、いつもすぐにおどけて、いたずらな輝きを放つ。
その瞳を見事な曲線のまぶたで隠すと、物語るものは手入れのされていない男らしい眉と、決して薄くない唇だけになる。
薄く開いた唇はいつでも血色がよくて、わたしはしょっちゅう自分の唇を押しあてたい衝動を覚える。
ただし今の場合は、涎さえなければの話だが。
わたしの背面はあの子の前面と密着していて、読みとれるだけのメッセージを感じようとしている。
緩やかな眠りのリズムが伝わってきたので、わたしも寝坊をすることに賛成した。