「おはようフィタ。」 クリオネの兄弟に初めて会ったのは、3月の始め頃だったかなぁ。
僕が赤ちゃんの時、最初に抱っこしてくれたのはあの兄弟だったとおもう 。僕は馬鹿で弱虫のイジメラレッコだったから、いつも兄弟に助けてもらってたこと、今でも覚えている。
僕は兄弟の初めて入って聞いてみた。
「ネェ、お兄ちゃん達は なぜそんなにつよいの ?」
僕はそう質問してみた。お兄ちゃん達は眼を丸くして聞いてた。お兄ちゃん達はクスクス笑って思いがけない答えを言った。
「いいか?イジメられたらやり返してみろ」
「そんな・・・、そんな 力なんてないよ!?」
「あるさ、殴られれば殴 られるほど、お前は相 手より強くなるんだ。
」
僕はびっくりして、走って自分の部屋にいった。 バシン!
強くなっていた。
「本当だ、強くなってい る」
自信を持って何月も、何日も、そんな月日がたって、大人になったある日、
「グワァァー・・・」
兄弟が鮫に喰われたという電話がきた。
何日だろうか、家に引きこもり、いつも
「・・・夢だ、これは夢なんだ」
この言葉を何度も何度も繰り返し言っていた。
ふらりと外回りしてると
「グワァァ!」
この時兄弟が一瞬呼んでくれた。
「オイデ・・・サミシインダロウ?」
僕は答えたよ。
「うん、お兄ちゃんといっしょにいたいよぅ。」
「・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ あれはお兄ちゃん? ということはここは雲 上か?」
「オゥイ、ここだよ。 待っていたよ。」
ここに一つの命がうしなった。でも不思議な事があった。
「なあ、不思議な事に、 フィタの死んだ真下に 芽があるぞ?海の中な のになあ・・・」