月の下、ウィルとフィオナが気まずくなっているその頃、メレディスは自宅で丁度シャワーを浴び終えたところだった。
ピーンポーン
こんな時間にだれだろうか。
「はあい?」
ゆっくりとドアを開けると、白衣の男が立っていた。「こんばんは。」
「あなたは・・・・!」
「ジニー・ホフマンです。」
「そう!ドクタージニー!」
メレディスは、その医者を中へと招き入れた。
「すみません。こんな遅くに・・・」
「いいんですよ。私ずっと一人で退屈で、退屈で。」テーブルの上にメレディスは二つ、コーヒーを置く。「あぁ、お構い無く。」
「いいですって!外は冷えてたでしょう。遠慮しないで下さい。」
メレディスはドクタージニーの向かい側のイスに腰掛けた。
「で、今日はなんの用でここに?」
「ウィル・フォードさんについてなんですが・・・」ドクタージニーはコーヒーに写る自分を見つめながらおもむろに話を切り出した。
「彼といて、おかしいと思うところはありませんでしたか?」
「はあ?とくになにも・・」
「私が彼を診た時、彼は火傷の一つも負っていませんでした。はっきり言って、あの状況ではありえないことです。」
「奇跡でしたね。」
メレディスがそう言っても、ドクタージニーは深刻な表情のままだ。
「それと、ウィルさんが目を覚ましたとき、・・・」彼はのどまで出ていた言葉を止めた。手を自分の額で支え、目をつぶる。
「な、なんですか。ためらってないで言ってください。」
メレディスは思ったより深刻そうな彼にとまどいを見せた。
そしてドクタージニーは口を再び開く。
「ウィルさんの目が、紅くなっていたんです。」