帰り道、ユウキと会えなかったズルい自分が嫌で、あてもなく車を走らせていた。
何だろう、すごく寂しい。とても大切なものがなくなった気分。
その時、携帯が鳴る。ユウキからだった。
『もしもし』
ユウキの声を聞いた瞬間に、気持ちが溢れだした。
『やっぱり会いたくて引き返してるねん。』
はっきり答えた。『私も会いたい。』
この人には心真っ直ぐでいたい。
鳴門にある海岸で待ち合わせを約束をした。
年齢を嘘ついた事、名前を偽った事、ユウキの顔を見て、ちゃんと謝りたかった。
海岸に着くとハイエースが停まってた。
私も車を停める。
大きく深呼吸をして車を降りた。
私の運命が大きく変わり始めていた。