「たっかー!!」
見上げるほど高い時計塔。思っていたよりずっと高い時計塔は長く見上げていると首が痛くなりそうだ。
「で?どーやって入るんだ?このバカでかい塔に。」辺りを回ってみたが入り口らしきものは見当たらない。
「石造りですね。」
雪はそっと石の壁を押してみた。
すると、ガコンという音がして石が奥に落ちた。
「……あ。」
一つ落ちるとたちまち他の石も落ちドアサイズの穴が空いた。
「ほぉ…。たかが時計塔に随分な仕掛けだな。」
「ランス、そんなこと言わないで。きっとシャイなのよ。」
「そういうモンか?」
なかに入るとそこには長い長い螺旋階段があった。
「もしかして…この螺旋階段、登らないとダメなのか?」
「ダメそうだな。」
辺りを見回してもこの螺旋階段以外、上へと行く手段はないようだ。
「はぁあぁぁー…。疲れるなぁ」
「ラウフさん、文句言わないでさっさと進んでください。」
雪に背を押されノロノロと登るラウフ。
あーだこーだと文句を言ってはいるがラウフも雪に負担が掛からないよう姿勢を保っている。
「あの二人、なんか兄妹みたいだよね。」
「あー。確かに。」
二人を眺めながらランスォールとシーラは笑い合った。