(…ってゆーか、ココは『立地条件』とか言うレベル越えてるし)ミユキは心の中でつぶやいた。
男は勢いに乗って、さらに続けた。
「この地にオープンして早や3ヶ月になりますが、今日でようやく来店者が大台に乗りました」
「大台…って?」
「へぃ、10人です」
男は得意気に続ける。
「オープン初日に地権者のご家族が7人、あと先月に遭難された方が迷い込んで2人、そして今日あなたが転がり落ちて来て計10人です」
「そうですか…」
ミユキはため息をついた。
「それと、もうひとつ教えて下さい。何でお店の名前が、『ラーメン年金問題』なんですか?」
再びミユキが尋ねる。
男は間髪入れずに、こう答えた。
「へぃ。よくぞ聞いてくれました。アッシはね、こう見えても色々リサーチしておりまして。お店の名前は、いま日本人が強く関心を持ってるものがいいな、と。そこで、インターネットを使って、巷で話題になってる言葉を探した訳です。すると、この『年金問題』という名前が挙がった訳です」
(…売れる名前考える前に、売れる場所に店を出した方がいいヨ!)ミユキはそう思った。
そして更に男は、次のような衝撃の発言を行なった。