騎士達はその戦いを見ながら、感心したように、言った。
「…ミリス姉ちゃんって、こんなに強かったんだ…」ロイは驚いたような表情で、ミリスとアリネスの戦いを見つめていた。
「そうよ。何せ、私とルイスの二人がかりでいっても駄目なんだからね。あの先生は」
リリーは汗を拭いながら、ロイの側にやってきて、言った。
「それより…ロイ、このまま行くと、ロザラムさんは捕まってしまうかもしれないと思うのだけど…」
エミリアの方を見て、こちらを見ていないのを確認してから、リリーは小声でロイに話し掛けた。
「そうか…確かに、僕たちの言った事が本当の事だと確信したら、ロザラムさんは殺人未遂で…」
ロイは頷きながら、少し暗い表情になった。
「姉ちゃん達がこれを知ったら、落ち込むんだろうな…。幼なじみだし…」
「…まあ、仕方ないわよ。だって、私たちは殺される寸前だったのよ?許しておく訳にはいかないわ。…それに、ロバートだって…」リリーはぎゅっと唇を噛んで、拳を震わせた。
「そうだね。やっぱり、犯した罪は償わなきゃいけない」
ロイはリリーの肩を軽く叩くと、真剣な表情で、言った。
「そうなると、この城まで連行されてくる可能性があるのよね」