【七浜海岸病院内病棟】病室のベッドに横たわる若い女。
顔の半分を包帯でまかれ、むき出しの瞼と唇の傷が怪我の大きさを物語る。
ベッドの脇では、静かに女を見つめる年老いた男と女。
その二人の顔には、年季を重ねた年輪とも思えるしわが、
長く積み重ねてきた人生の歴史を感じさせる。
老婆は、横たわる女から視線を逸らすことなく、口を開く。
女に語りかけるように話始める。
「なにがあったかしらないが、どうして命を粗末にするんだろか、もういやだよ、あの子と同じ....」
男も静かに話し出す。
「..婆さんや...幸子はもういないんじゃよ」
【思い出させてしまったようじゃなこの娘さんが..しかし何があったんじゃろか..】
県立高校のグラウンド
校舎の屋上から、サッカー部の練習を見ている二人の女子高生
「ねぇ有紀!和彦せんぱいw大に進学だってこと知ってた?」
有紀の顔が一瞬曇る
「...うん」
有紀は高校2年生。特別に可愛いと言うほどではないが、
色白で長いまつげが印象的で、見つめられるとゾクッとする大きな日が独特の雰囲気持っている。
特技は、5才の時から高校に進むまで習っていた少林寺拳法である。
このことは親友の楓にも話していない。
きゃしゃな身体からは想像できないが、4段の腕前である。
また、人懐っこい笑顔と底抜けの明るさが取り柄の女の子。
「そういえば有紀!いつ告白すんのよ?和彦せんぱい居なくなちゃうよ!」
「え!..たぶん..言えない。
もういいんだ。言ってもたぶんダメだしそれに..
それに..せんぱいを好きな娘いっぱいいるし..なんか怖い...」
「有紀ってさ、せんぱいのことになると全然駄目だよね..
なんか可愛い!.私に任せなさい!」
「いっ!いいってば!!...いいんだ..もう.」
「???」
楓が何かを発見。