Rは一命を取留めた。
でも大きな代償が待っていた。薬物取締法違反で回復後に逮捕される事になった。
半年程でRは退院した。
退院の日、Rの両親に頼まれて見送りに付き合った。
入院中は一度も見舞いに行かなかった。Rと向き合うのが怖かったから。
病院から出て来たRは車椅子だった。Rは下半身不随になっていた。少し痩せてはいたが元気そうだった。声を掛ける間もなくそのまま警察車両に乗せられた。
それから暫くして、Rの刑期が決った。
私は何ヵ月かは落込んでいたが、そのうちに前の慌ただしい生活に戻っていった。
Rの事も気にしない様になっていた。そんな時にRから手紙が届いた。
手紙には、真面目に刑期を務めている事、最近の自分の様子、私の様子はどうか?など書いてあり最後に良ければ返事をくれと書いてあった。
戸惑ったが、私は返事を書いた。とりとめもない内容の手紙だった。
一週間後、Rからまた手紙が来た。返事が届いて嬉しいと、良ければ面会に来て欲しいと。
私は今度は返事を書かなかった。面会に行くつもりもなかった。Rは私の友達だったが私は、もう忘れてしまいたかった。辛過ぎる出来事だったから目を背けて無かった事にしたかった。
何ヵ月かして、Rから手紙が届いた。いつもと違い、この街からの消印だった。少し不思議に思いながら手紙を読んだ。