***手紙の内容***
春ですね。
私にとって春は切なくなる季節と共に、幸せだった日々を思い出させてくれる季節です。Aは私にとって初めて本気で惚れた人でした。
貴方に幾ら惚気話しをしただろうか。
彼女が亡くなってから、私は完全に狂っていました。全てが終わった気がして、どうでも良くなって。
気が付けば、沢山の人を傷付けて迷惑を掛けて、取り返しのつかない事をしてしまいました。
貴方はもう、私に幻滅している事でしょう。
それでも、一つだけ言わせて下さい。私は両親から貴方が何もしてやれなかったととても悔やんでいたと聞きました。
それは間違いです。
貴方の声はいつも届いていました。
貴方の声が私の励みでした。
貴方は私にとって最高の友達でした。
私は残された刑期を一生懸命務めます。色々と迷惑を掛けた事改めてお詫び申し上げます。
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手紙が届いて一週間後。
私はRが二週間前に獄中自殺した事を知った。
手紙はRの両親が遺品の中から見つけて私に送った物だった。
何度も季節は巡り、私はこの手紙を押し入れの中の段ボールから見つけた。古ぼけた手紙を読み反し涙ぐむ。
私は返事を書く事にした。