叶わぬ願いと知っていても。?

みゅ  2008-11-01投稿
閲覧数[265] 良い投票[0] 悪い投票[0]


「そーいえばさー」

「ん?」

「うっちゃんって好きな人いんの?」

「!?」

勢いよく飲み物を吹いてしまう。

「うわっきったねー!吹いてんじゃねーよ!」

「ごっごめん!」



まだ心臓がうるさいくらいに鳴っている。


「いっ、いないよ?」


布巾で床を拭きながら俺は言った。

なるべく汰一の方を見ないように。

「…だよなぁ〜、うっちゃんはいなそう」


いや、あんたなんだけどね。

でもそんなこと言えないから胸に閉まっておく。

「…汰一は?」

「え?」

「いないの?好きな人」

「…いねーから」


言葉ではそう言っているが、俺の目を見ずに、気まずそうに言っているのがつっかかる。
しかも微妙な間は何。


「…いるんでしょ」

「……………」

急に押し黙る。
意外に素直。

「誰?」

「お前」

「ッ!?」

「嘘だよ」

なっ、なんなんだよ〜〜〜ッ!!!

本気でびびったマジで驚いた

そんなことされるとまた汰一に夢中になっていくじゃん。

やめてよ

こんな恋叶うはずもないのに

期待、

しちゃうじゃん

そんなことしたって、最後に泣くのは俺なのに。

あぁ、汰一は本当に

ドSだ。

こんなに俺を悩ませて楽しい?







*************



「じゃぁもぅ帰るね」

これ以上、汰一の側に居るのは危険だ。
早く帰らなきゃ。

「ぇ、もう帰んの?」

だから、そんなふうに言わないで。

一生帰りたくなくなっちゃうから


「うん。親がうるさいし」
「…マザコン」

汰一がいじけて言う。

そんなとこも、かわいい。














************



あぁ、切ない。

汰一が男じゃなかったら今すぐにでも好きと伝えるのに。

この手で抱き締められるのに。
















ずっと、好きでした



って、



言えないのは



誰のせい?








(もう、疲れたよ)


















君にとって俺は








一番の














"親友"









なんだろうね










それは俺にとって








とても、





残酷なことだと、思う



*fin*

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 みゅ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ