雨にうたれて居る男がいた。
手には、傘を持っている。
異様な、雰囲気をかもし出しているのは、此処が、警察署の正面入り口前だからだろうか。
二人の警察官が、入り口に立って居る。
雨にうたれた、びしょ濡れの男は、一歩又一歩と、警察署に近づいていた。
入り口を守る警察官二人は、男に職務質問をしようと近づいた瞬間だった。
男は、持っていた傘を高くあげた瞬間、雷は男に落ちたのだった。
凄まじい閃光と、爆音が、辺りを包んだ。
近づいた警察官も、倒れている。
雷に撃たれて、息絶えたかと思われた男は、不思議な事に、立ち上がり叫んだ。
「何日も、留置所に放り込みやがって!」
「キチガイ博士の汚名と、インチキ商品の詐欺罪だなんて…」
男は、科学者。
保釈中に、落雷を受けても、体に電気を通さない、特殊なカツラから服と靴と繋げて、体の濡れた外部で、電気を通す事に成功させた。
しかし、警察官二人を感電死させた罪により、現行犯逮捕されたのだった。