ヨンタクロースの伝説 〜サンタじゃないよ 怖〜いヨンタのお話〜

砂糖順子  2008-11-02投稿
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はじまり はじまり

さあ、子どもたちよ。
よくお聞き。
大好きなクリスマスは、楽しいことばかりじゃないよ。

プレゼントがもらえて、うれしいだって?

ほう、そりゃあ運が良かったんだろうよ。
あのヨンタに見つからなかった、ただそれだけさね。
お前たちが、今までずーっとよい子で過ごしていた自信はあるのかい?
ひっひっひ
何か思いあたる顔をしているね〜

クリスマスイブの夜、寝ている子どもの枕もとにやってくるのはサンタクロースばかりじゃないんだよ。
このヨンタクロースも動いているのさ。
サンタに見つからないように、サンタよりも少し先にね。

ヨンタは青白い顔をして、目は真っ白、口はへの字で汚れたようなくすんだ色のサンタと同じ服を着ている。
骨ばった大きな手に握られた白っぽい大きな袋は空っぽでぺしゃんこ。

ヨンタは目は見えないが、鼻がよく効くのさ。
とくに悪い子どもの匂いにね。

おや、ソワソワしだした子どもがちらほらいるね。
じゃあもっと怖くなるかもしれないよ。

サンタにトントがいるようにヨンタにも子分がいるのさ。
悪い子どもの情報を集めてくるやつらだ。
よく見るだろ。
どの家にもいる、ゴキブリさ。
じっと潜んで聞いてるよ。
見ているよ。

想像してごらん。
24日クリスマスイブの夜だよ。

布団の中でぐっすり寝ている子どもがひとり。
やがて音もなく、ひょろりとした黒い影が近づいてくる…
伸びてくるゴツゴツしたヨンタの手?
子どもは袋に入れられて、そのまま連れて行かれてしまったのさ?

やがて朝になり、枕もとにプレゼントも子どももいない…
冷たくなった布団があるばかり。

子どもはどこに連れて行かれたかって?

お腹を空かせた魔女の所かもしれないし、退屈しているオバケのクリスマスプレゼントになるのかもしれないね。

あの子どもは帰って来られるかって?
さあ、どうだろうね。
わたしゃ知らないね。

さぁて、お前たちの体からヨンタの大好きな匂いが出てはいないかい?
ひっひっひ
おしまい
〜ブラック婆さんシリーズより〜



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