ん、なんかいい匂いがする。
パチっ。
目を覚ます。
「あ、佐藤?」
そういえばお見舞いに来てくれたんだっけ。
「ん〜、もうちょっとで出来るから待ってろ」
…
そういえば
「あのさ、佐藤。食べれるもん作れるの?」
「…おっまえなぁ、俺がどのくらいファミレスで働いてると思ってんだ。信じろ!!」
…あんた、ホール係だよ。忘れた?
まぁ、いいや、いちいち突っ込むのもめんどいし…
「ほれ、おまたせ」
佐藤がお盆に乗せて持ってきたのは土鍋に入った、おじや(^_^)v
「わぁ、おいしそう
いっただきま〜す」
フーフー。
パクっ。
「んん〜、おいしぃ☆」
佐藤が当然だと言う顔をしながら聞いてくる「おじやとか好きなのか?」
「というか…好きだけど、中身かな?
風邪ひいたりして誰かが作ってくれたりするじゃん?
そういうのが暖かくて好き☆」
佐藤は私をじっと見て…
「白井って、最初、キツイ性格で、近寄り難かく思ったけど、話すと可愛くて真っ直ぐだよな♪」
ゴホっ!!
つまった…
み、水ぅ〜。
ゴクゴク
私は佐藤に差し出された水を一気に飲み干した。
こ、こいつ…
からかってる?
私が佐藤の事を好きなの忘れたわけじゃないでしょ?
「はい、ごちそうさま☆ありがと、おいしかったよ」
「いえいえ、しかし病人とはおもえない速さだな…」
佐藤はまだ食べ終わってない。
「あとは、薬とかどこ?」
「んと、そこの棚に入ってる」
私は佐藤に渡された薬を飲んだ
「はい」佐藤が体温計を手渡す。
そぅいえば計ってなかったっけ。
私はパジャマの中に体温計をいれ……
「あ、ちょっと。あっち向いてて!!」
「あ、そっか。ごめん」
胸とか見えてないよね?
熱計る時って、見えちゃうから…
私は再度、脇の下に体温計を挟む…
ピピピっ。
体温計が鳴る頃には佐藤も食べ終わっていた。
私は体温計を取り出す。
「えっと…」
38.5??
その数字を見た瞬間…
バタっ。
「え!?白井。」
熱あったんだ、私。
佐藤が抱き締めながら私を寝かす。
おでこにヒヤッとしたタオルを乗せてくれた。
気持ちいい…
心配そうに握られる手も…
苦しいのに…
全部が気持ちいい。
(愛さんに確かめる)
嫌。
佐藤が傷付くの嫌、愛さんと付き合って行くのも嫌。どっちも嫌。「愛さんじゃなきゃダメなの?こんなに…苦し…い」
「白井…」