特別ではない主婦(31)

紀々  2008-11-02投稿
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でも、不思議と嫌な気持ちには、ならなかった。

嫌な気持ち・・・?というか「えっ?そんな一方的に切らなくても!」という気持ち?にならなかった。
とにかく不安にもならなければ、不快にもならなくて。
それは、彼女に申し訳ないという気持ちを抜きにしても、ならなかったという事。

彼女がいつもそうだったわけじゃない。
後にも先にも、一方的に電話を切ったのはこの時だけ。

それが私の気持ちを救ってくれた。あの、一方的で勝手に切ったような電話が、彼女の優しさだったんだって。私は認識してる。

だって、彼女が「じゃぁね、バイバイ」で切っていたとしたら、ネガティブ真っ只中だった私は、会う約束をしたにも関わらず、
『バイバイ』という言葉に捕われて、また不安な気持ちになったと思う。

彼女は「待ってるね」と言ったのだ。私からの連絡を許してくれている。
最後に言ってくれたその台詞が、本当に私を救ってくれた。

まだ、メールもない頃だし、人に気持ちを伝えるには、電話か手紙。
ポケベルがあったけど、まだ文字打ち出来ない時だったから、気持ちを伝えるには、まどろっこしい感じがあった。

そんな頃だからこそ、私からの電話を待ってるって言ってくれた彼女に並々ならぬ感謝の念を抱いたわけで。

その時、生意気にも。
もし彼女がこの先行き詰まるような事に遭遇して悩んだり、困ったり、
立ち止まったりして。
私の事を必要としてくれるなら、何があっても、 力になろうと思った。

例え、その時、大事な仕事があったとしても、
大切な恋人がいたとしても、家族よりも、何より彼女を優先したいと強く思った。

そして、そこから10年以上過ぎた今も、なかなか出番がないな〜(汗)と思いながら過ごしてるわけなんだけど。
人(友達)が行き詰まるような事がナイというのが何よりも素敵なのだから、それが一番ね。

女子(女性)が怖い、というか苦手なのは。
30ちょい主婦になった今でも、変わらないのだけど。

それでも自分が女子(女性)で良かったと思う気持ちはちゃんとある。
だからこそ私は成り立っているような気がするしね(笑)

さぁ、そろそろ。
特別ではない主婦になりに行きましょう。
ここから先は、旦那と再会してからの。お話。
お付き合い下さい。

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