「私達の部隊は隠密起動部隊である。」
リンスが胸を張って言った。
「隠密起動…ですか?」
「そうだ。」
「例えばどんなことをするんでしょう?」
「私達は戦場では働かない。私達の仕事は裏切り者の抹殺」
「裏切り者の抹殺…」
「そうだ。敵からのスパイ、敵に情報を流してる者、仲間を殺した者などが対象だ。」
「今まで、そんな人は何人いたんですか?」
「0だ。」
「えっ…」
「この部隊は昨日できたのだ。だから0」
「昨日…!」
「そうだ。だから新米だからって気を使わなくてもいいぞ。みんな新米だからな。」
ハイドはかなりビックリして言葉がでなかった。
「それと、私達の部隊は極秘だから外に出ても話すなよ。」
「……………」
「ハイド聞いているのか?」
「なんとか…」
「ならいい。では解散。仕事が入ったら魔法で連絡が行く。すぐに来いよ。」
「わかりました。では失礼します。」
ハイドは軍施設から出た。そらが眩しく空気が綺麗だった。
〜これが牢屋から出た気持ちなのかな〜
ハイドはそう思い深呼吸をした。
すると帰り道の所にケインが歩いていた。
「お〜い。ケイ〜ン」
ケインが止まって振り向く。
「ハイドか…どうした?」
「ケインはどこの配属になった?」
「特攻部隊…アカネも一緒」
「そっか〜話せる人がいて良かったな。」
「そうだな…お前は」
「お前は…」
「自分の隊の名前も忘れたのか?」
「んーたしか護衛部隊だよ…」
ハイドはとっさに思いついた部隊を言った。ドキドキして汗が止まらない。
「そっか…」
「うん…」
「お気楽者め…」
ケインが静かに呟いた。
「何か言った?」
「別に…。俺こっちだから…」
そう言うとケインは足早に去っていった。
ハイドは嘘がバレなくて安心した。しかしケインの気持ちには一切気がつかなかった。