「武畑。お前また英会話のCDかよ!たまには楽にしようぜ!」
荒田は武畑のイヤホンを取り言った。
「おお〜荒田か。」
少し驚いた武畑が発した言葉は乾いていた。
「お前…死んでんな!たまには気を楽にするのも大切じゃねえのか?あんま無理すんなよな!!」
荒田はおちゃらけて見えるが、中身は意外としっかりしており、色々な場面において、武畑を救っている。 「確かに無理してるかもな〜。結構疲れてるよ。...正直限界かもな。」
武畑は、眼鏡を外すと目と目の間を親指と中指でゆっくりと押した。首をゆっくり回しポキポキ言わせると、荒田が持ってきたホットコーヒーを一口ふくんだ。 「...効くな。」
武畑はため息を混じりにそう言うと、一瞬止まっていた時が動き出したかのように、武畑と荒田の顔はゆるんだ。
「お前、セックスしてんのか?」
荒田が急に発した言葉に武畑は喉を詰まらせた。
「急に...急になんだよ。」
武畑が焦りながら聞き返すと荒田が言い返した。
「セックスやってんのかって聞いてんだよ!」
「だれ...」
「誰とじゃねーだろ。お前の嫁さんとセックスやってんのかって聞いてんの!!」