と、とりあえず。
休もう・・・とにかく座りたい(泣)
公園入ってすぐのベンチに座る。はぁ〜もう、驚いた・・・。
こんなに走ったのも、こんなに驚いたのも、どれくらい振りかな(汗)
心臓いくつあっても足りないわ、あ〜ビックリした(ため息)
ん〜っと両手をあげて、伸びをする。
ピタ・・ッと両手をあげきったところで、私の動きも呼吸も。一時的にフリーズ。
「飲む?」と、目の前に缶コーヒー。
「元陸上部、なめんな」
そう言ってネクタイゆるめる彼が居た。
「は〜っ、走ったなぁ、久しぶりに走ると、キッツイわ、流石に」
そう言って、私の隣に彼は座った。
缶コーヒーをもう一度、私に見せて「で、飲む?飲まない?」と笑った。
フリーズ解除。ゆっくり行き場のない感じで手をおろし、
「い、いただきま・す」と缶コーヒーを受け取って。ボソッと、
「追い掛けてくるとは」
・・・・・・。
少し沈黙。
「ん?思わなかったってか?(笑)」
と、彼が私の顔をのぞきこんだ。
ビクッと私は自分の顔を少し引いた。
彼が私の顔をのぞき込んだ距離があまりに近かったから。
記憶の中の、かわいらしいキスを思い出すには充分過ぎた。
体が強張る。肩に力が入ってしまう。
それを悟られないように私は座り直した。
「誰だかわかんなかったわ。何、今日って、仮装大賞みたいの、やるんだったの?(笑)」
缶コーヒー開けながら、彼は言った。
「んなわけないでしょ」
と、私も缶コーヒー開けながら言う。
同時くらいにコーヒーをすすって。お互いに、ズズッと音がして。
しばし沈黙。
「そういう冗談言えたんだね」ちょっとイヤミ臭く私は言った。
ドキドキは続いていたけれど、不思議な事に肩のチカラは抜けていた。
「言いますよ、オッサンに片足突っ込んでますから?(笑)」
コーヒーの缶を手の平で挟んで揺らしながら、彼は笑った。
「なんで目的地と逆に走る!?今から行っても、もうなんか微妙な感じじゃねぇか」
「・・・スミマセン」
座ったまま頭下げた。
「飯、食いに行くか」
「えっ・・・!?」
慌てて彼を見た。
彼と初めて、そこでまともに目が合った。
「そんな焦る事でもないでしょ(笑)」
と笑顔。あ、笑顔あんまり変わってない。