時代背景:20世紀末
地上に降臨した、最後の 女神の物語……
(第一部、全十五話)
「ねェ、今晩泊めてくんない?
終電終わっちゃったしさァ、こっからだとあたし家遠いじゃ〜ん」
「なーに言ってんだバカ。 俺んちだって近いわけねーだろ、車で来てるんだから。
それとも何? 俺に襲われてもいいってのか?」
俺は、アマチュアバンドのジョイントライブで知り合った…というかナンパしたエリカと言う女に、一夜の宿を請われたところだ。
こんな事には慣れっこなのか、もともと深く考え込まないタチなのか…
エリカは「別にィ〜」ってな感じで、俺の問いを否定しなかった。
「たださァ、……」
「ただ、何だって?
ウチはベッド一つしか無ェぞ」
「Hが下手だったら嫌。
超ウザイし〜」
「お前なぁ… 公園のベンチで寝てろ!アホ!」
自宅にて
「んふふふ〜っ♪」
「……なに気色わりィ声で笑ってんだよ」
「だってェ、すっごく気持ち良かったんだもん。
…そう言えばさァ、あんた名前何ってったっけ?」
「おめーわっ! 最初に教えただろ? …諒司だよ」
これが俺、倉沢諒司と品川恵利花との出会いであった。
後に、彼女が〈疫病神〉である事が偶然の再会で判明するわけだ…