悲劇のプロジェクト
その名も「特別攻撃隊」
海は「回天」
空は「桜花」
私は知覧から桜花に乗り、ハワイ沖のアメリカ戦艦にアタックをかける任務を任された。
任務の遂行までは2ヶ月。
その間はずっと「死に方用意」の訓練。
私の特攻部隊の専属整備士に山本と言う同期で幼なじみがいる、彼とは本当に生まれた時からずっと一緒にいるような気がするほど同じ時を刻んできた。
しかし最近山本とは口も聞かずにひがまれている気さえする。
それは無理もない、私は死を前提にした特攻。
いわばエリートだ。
山本は、死と縁のない整備士。
地元ではかなり、家族が肩身の狭い思いをしていると言う。
少し申し訳なく感じていた。
山本とすれ違ったときに私は「家族たちにつらい思いをさせちまって申し訳ない」と謝った。
すると彼は私になぐりかかってきた、
「貴様、俺をバカにしてるのか?エリート面しやがって。」
と、いった具合で。
毎日喧嘩ばかりしていた…