「そうか………フッ……予定通りだな」
薄暗い部屋の中で40くらいの男が携帯電話を片手に不気味な笑みをして話していた
この声には聞き覚えがあった。ダルたちに電話をしていた声だ
男の携帯を閉じる音が部屋に響く。男の他に部屋にはランベルを握り締めている巨体の筋肉質の剃り込みを入れた男と銃を熱心に手入れをしている男がいた
「ヘリウム・ウラン、ラドンから今連絡があった。予定通りに彼らはまんまと作戦通りに動いてくれたよ」
電話をしていた男が笑いながら2人に伝える
ちなみに巨体の男がヘリウムで銃の男がウランだ
「ニッケルさん、じゃあ次はウリグススタジアムか?」
立派な口髭を生やしたラドンが銃をしまいながら男に確かめる。電話の男の名はニッケルというみたいだ
「そうだ。ダルアン達を見張っていたラドンがこっちに着き次第私達もスタジアムに向かうから準備しろ」
そのセリフからやはり、ダルたちを見張っている奴がいたのだ
ニッケルにそう言われてウランは銃をバックに収納したその時だった
「あっあんた達!!一体何の目的があってダルとエドを?」
部屋の柱に縛り付けられていたM.Tが声を震わせながら勇気を懸命に振り絞って言葉を発した。今までウランの銃が怖くて何も言えなかったのだ
「そうだな。計画も上手くいった事だし説明してやろう」
そんな怯えきったM.Tを見て笑いながらニッケルは近付く
「今、君の友人であるダルアンとエドフィードに爆弾を探して貰ってるのは知ってるな」
「あんたらが仕掛けた爆弾なんてダルとエドが本気になればあっという間に解除されるわ」
声が震えながらも強気に言葉を言うM.T
「そうだな。確かに彼らは爆弾を全て解除した……まぁ一個は爆破したが、一般市民を誰1人怪我させなかったから勝ったも同然だな」
「ほらみなさい。あいつらは凄いんだから」
M.Tが鼻を高くしたが
「まぁ、その爆弾は爆発してもしなくてもどっちでも良かったのだ」
「えっ!?」
「いわば囮さ。本当の目的………大統領暗殺のな」