青山さんが何であたしに‥‥?!
“青山サオリ”は2年のトキから、この学校の副番だった。
かなり明るめに染めた、ストレートのロングヘアー。
噂では、無免の原チャリで、族のアタマの追っかけをやってたりもする、かなりミーハーなヒトらしい。
あたしも、直接話したのは、今日が初めてのコトだった。
『トモダチは来なくていいよ。木下さんだけ、あたしに付いてきて。』
青山さんは、そう言うと、あたしの腕を強引に引っ張った。
ユカは、一体何が起こったの?!と言った感じで、この状況がイマイチ飲み込めないといった風だった。
けれど、
それは、あたしも同じで――
でも、取り敢えず此処は、青山さんのいうとおりに従うコトを決意した。
『ユカ、ごめん。先帰ってて。』
あたしは、ユカにそう一言残し、青山さんに付いて行った。
『早く歩きなよ。待たせてるんだからサ。』
青山さんは、あたしの腕を引きながら、冷たくそう言い放った。
イマドキ、“番長”とか“副番長”なんて流行らないわよね。
ウチの学校だけじゃないの?!
もしかして、昭和のツッパリ全盛期にタイムリープしてる?!あたし?!
はぁ‥‥‥。
そんな訳ないか‥‥‥‥‥。