だけど‥‥“番長”は、今年卒業した筈だから、現在は青山さんが“番長”ってコトよね。
前の“番長”ってのが、いわゆる“裏番”みたいな感じで、表向きはマジメにしてるから、
生活指導の先生に目をつけられるコトも無かった筈だし。
その存在自体、あたし達に知られるコトも無かったという、
まさしく、カンペキな“裏番”と呼ぶに相応しいヒトだった。
もしかしたら、“番長”というのは、元々存在しなかったのでは‥‥という噂さえ流れていたほどだった。
“番長”って一体どんなヒトだったんだろう。
そうだ!!聖人に聞けば分かるよね?!何で気が付かなかったんだろう。
後で聞いてみよう‥‥‥。
青山さんと一緒に廊下を歩いているトキ、
あたしは、そんなコトを考えながら自分の世界に入り込んでいた。
青山さんが何故、あたしを呼びに来たのかってコトを考えたら、
今のこの状況で、こんな余裕かましてられない筈なんだけど、
もしかしたら、あたしの心の中で、迫り来る不安から逃れたいが為の、
心の防衛反応みたいなモノが働いていて、
いわゆる現実逃避に近いモノがあったのかも知れない。
そう思い始めた途端、
何だか急に、この先の展開に不安になって来ちゃった‥‥
ど、どうしよう‥‥‥‥。